プロ野球を統計学と客観分析で考えるセイバーメトリクス・リポート1

このたび『プロ野球を統計学と客観分析で考える セイバーメトリクス・リポート1』を発行し、
株式会社水曜社より発売されました。

本書は、統計的視座に立った野球研究、およびその成果を用いた分析手法「セイバーメトリクス」の
国内有数の研究家による書き下ろしリポートをまとめたものです。

続刊も予定しており、誌面構成、スタッツ部分を充実させ、
いつの日かアメリカで多くの読者を持つ
The Hardball Times BASEBALL ANNUALやBaseball Prospectusのような
最新の研究成果を広く野球ファンに紹介できるメディアへと育てていきたく思っております。
 
セイバーメトリクスが発展していくには、多くの分析家による考察と、
議論を通じたブラッシュアップの過程が必要です。
アメリカには雑誌やウェブサイトなどで分析活動の発表の場が多くあり、
知識の共有をきっかけにさまざまな議論が生まれ、
議論を通じてセイバーメトリクスは野球の構造を徐々に明らかにしてきました。

MLB球団が“セイバーメトリシャン”と呼ばれる分析家を迎え入れる状況ができあがったのは、
そうした発表と議論の機会があったからと言えます。

『セイバーメトリクス・リポート』が目指していくのは、
第一に分析愛好家たちの優れた論考を紹介し、建設的な議論をつくりだしていくことです。
併せて、セイバーメトリクスに興味を持ち、
分析に取り組んでみたいという方々への情報提供にも取り組んでいきたいと思っています。

MLBオークランド・アスレチックスのセイバーメトリクスを活用した戦いを描いた
ノンフィクション作品『マネー・ボール』の映画化などもあり、
セイバーメトリクスの認知は高まってきました。
一部の指標については、野球ファンにとってもなじみのあるものになりつつあります。

しかし、現在国内では「セイバーメトリクス本来の考え方」や「その先」に
進むための情報が極端に少ないといえます。
明らかにしたいテーマを考える上で、これまで積み上げられてきた思考や、
統計処理を行いながら考察を進めていく方法がわかる日本語の情報源は、
分析家自らが運営するウェブサイトを除き、ほぼ見当たらないのが実情です。
『セイバーメトリクス・リポート』は、
そうした方々への入り口となることも意識して制作しました。

リポートは執筆者によってテーマ、アプローチはさまざまですが、
考察の過程をていねいに書いていただきました。データのどこに着目すればいいのか、
結果からチーム・選手の実力が反映された割合を導くなど、
分析時の視点や手順が読み取れるリポートとなっています。
論考によって導き出す結論の興味深さはもちろんのこと、
分析家の思考の過程もお楽しみいただければと思います。


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