ITpro EXPO 2012で講演予定

10/10にITpro EXPO 2012で講演します。


http://itpro.nikkeibp.co.jp/expo/2012/forum/view.html?c=P116

講演内容は「ビッグデータ」についてです。
私自身はビッグデータについて専門的な知識を有している訳ではありませんが、
野球界(MLB)の取り組みについてお話させてもらう予定です。

アウトプットの技術革新(セイバーメトリクス)に続き、
インプットの技術革新が加わることで野球の構造理解が飛躍的に進んでいる
という内容になります。


下記が講演の概要になります。

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☆タイトル

ビッグデータが加速させる野球の構造理解
  〜セイバーメトリクスによる分析範囲の拡大


☆概要

セイバーメトリクスは野球を統計的な見地から分析し、
野球がどの様に成り立っているのか(野球の構造)を考える手法である。
1970年代にビル・ジェイムズがBaseball Abstractを刊行し、
野球データを統計的に分析することを「セイバーメトリクス」と名付け体系化していく。
(それ以前にも野球を数理的に分析する試みがなされたが、ジェイムズがその流れを本格化)

セイバーメトリクスの普及にはかなりの時間を要したが、
1990年代にはメジャー・リーグに影響を与え、
書籍『マネーボール』でも紹介されたオークランド・アスレチックスの快進撃は、
新たな思考法によるチーム編成が有効であることを証明した。

プロ野球経験者などから根強い反発はあったものの、
セイバーメトリクスが既存の見方すべてを否定するものではなく、
野球の本質を見極めようとする姿勢を経営層やフロントに評価されている。

セイバーメトリクスは(プロの世界で)チーム編成や選手評価など
チーム運用に欠かせぬものとして定着し、
(アマチュアの世界でも)民間の野球シンクタンクや市井の分析家により
新たな知見がもたらされている。


セイバーメトリクスは最終的な目標である『チームの勝利(勝率の上昇)』について、
今のところ得失点を大きくすることが最も効果的な方法であると考えている。
必然的に、チームや選手は得点や失点に関連深い能力を評価されることになる。

現在のセイバーメトリクスは、攻撃力・投手力・守備力・作戦結果などを
(ある程度のレベルまで)得点や失点の形に置き換えることに成功し、
野球の勝敗がどの様に成り立ち、
選手がチームにどの程度の勝利をもたらしたのかまで説明を試みている。

また、データ分析は『分からないこと』に対して、
「どの程度分からないのか」を理解できることが利点である。

『分からないこと』を明確にすることで、
新たなデータ取得方法や分析アプローチを最適化し続けることが出来るのだ。

これまでの『分からないこと』を理解する重要な手助けとなるのが、
野球界でも「ビッグデータ」なのである。
技術革新により大量のデータを自動的に取得できる環境が整うと、
セイバーメトリクスでこれまで評価することが難しかった能力の分析に切り込んでいる。

具体的には、カメラから自動的にデータを取得するトラッキング技術の導入により、
「投手がなぜ打たれないのか」
「球種の特性」
「守備力の視覚化」
「物理現象としての打撃」
「捕手のキャッチング能力」
などの解析が既に始まり成果を上げつつある。

大量のデータ(ビッグデータ)がセイバーメトリクスと相まって、
これまで(評価出来ず)ブラックボックスとされてきた領域に光をあて、
野球の構造理解を進めているのである。


メジャー・リーグではリーグ機構がデータ取得の環境を整え、
球団・ファンにそれを開放している。
このデータを利用して前述のシンクタンクや分析家が新たな知見を見出し、
それを球界全体に還元する非常に良い関係が成り立っている。

一方、日本のプロ野球では、データの公開が限定され、
野球の構造理解に必要なデータの取得自体が行われていない現状がある。
データ分析に対する環境や活用について日米で埋めがたい差がある。
競技の特性をより理解している方が、様々な面で有利になるのは間違いなく、
ビッグデータの活用法を真剣に考えなければならいない時代が野球界にも迫っている。


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